金融業界最大手企業の一つであるJPモルガンが「IndexGPT」を商標申請していることが話題になっています。
同社はChatGPTの出現からAIに大きな期待をよせておりましたが、事業化に向けた兆候が垣間見えた形となります。
United States Patent and Trademark Officeで2023年5月11日にIndexGPTの申請が行われていることが確認できます(上記画像は本記事の筆者が確認し作成したもの)。
JPモルガンCEOのJamie Dimon氏による株主へのメッセージでは、データマネージャーから機械学習エンジニアまでおよそ2000人以上の専門家を配置しAI戦略の開発に集中しており、またクラウドベースのシステムを活用して自社業務の効率性とコスト効果を向上させることに興味があるとしています。
一方で、具体的な内容について公開されているわけではなく、あくまで検討段階にあることが想定されます。
投資銀行、証券取引、資金決済、証券管理、資産運用といった総合的な金融サービスを手掛ける同社の事業背景とGPTの文章生成能力の特性を考慮すると、投資アドバイスや顧客へのお問い合わせ対応を中心とした機能に強みのあるAIとなることが予想されます。
また、OpenAIがChatGPTを活用する場合のサービス名にGPTという名称をつけてはいけないと定めていることからも、JPモルガンが構築するLLMはChatGPTベースではなく独自開発となることも想定できます。
同分野ではMagnifiがChatGPTを活用することで投資アドバイスを提供する最初の投資プラットフォームと声明を出していましたが、JPモルガンではより多様な範囲の投資判断・アドバイスを生成するようなAIが構築されていくのかもしれません。